カルチャーを支え、ホビーライフを創る、
駿河屋の壮大な想いと実践
株式会社エーツー(駿河屋)
代表取締役
杉山 綱重さん
(聞き手・渡辺浩弐)
すべてを登録する。
品番がないものに
品番を作るということです。
駿河屋では、すべての商品が
ずっとアクティブです。
2023年10月にオーブンした静岡の駿河屋本店駿河屋ビル。リユース品を一堂に集めた日本最大級の超巨大店舗に、ファミリーからカップルまで人が溢れかえる。来訪者の50%は遠方から訪ねて来た人たちだ。外国人の姿も多い。まるで観光スポットさながらの光景である。
大勢の人たちを惹きつけてやまない魅力の秘密を、駿河屋を運営する株式会社エーツーの代表取締役社長・杉山綱重氏が語った。
商品のマスターデータはコンテンツ。
記録の膨大な図書館となる
駿河屋が愚も重要視して取り組んでいることはマスターデータの整備です。すべてのものをデータベース化したい。本やゲームに限らず、プレスされているもの、印刷されてるもの、いや大量生産されているコンテンツのすぺてをここに登鎧してしまいたいんです。
出版物については取次業者のデータも国会図書館のデータも取り込んでいますが、それだけでは足りません。たとえば同人誌は図害館に収蔵されていないものも多くあります、そういうものまで可能な限り網羅します。
週去にリリースされている同人誌は入荷するたびにデータ入力し、それだけでなく発売予定のものも情報が入り次第、全て先回りして登録していきます。コミケなど大きなイベントには必ずスタッフが参加して、現地調査を行っています。
ミュージシャン、アイドルのグッズ情報を求めるためにライブ、コンサートもチェックしています。コンサートパンフなど、そういうところでしか販売されないグッズが多くありますから。もちろんファンクラブの会眼向けのものも網羅します。
限定的に販売されるものとしては、コンビニの一番くじなども重要ですね。動向を追うためコンビニ店長とのネットワークを持っているスタッフもいます。
アイドルのポストカードや生写真も徹底的に洗い出します。一例ですが、週去のジャニーズタレントの生写真リストといったデータは駿河屋だけに存在しているんです。出版社もプロダクションもメーカーも発売まではしっかりと取り組みますが販売が終わったらそのデータを消してしまうんですね。
うちは、消しません。駿河屋では、すべての商品がずっとアクティブです。
買取したコンテンツをすべて登録。
その瞬間に価値が設定されて蘇る
アイドルやキャラクターのファンにとっては、文房具やノベルティも大切です。アニメ、漫画、アイドル等の絵柄のついたもの、クリアファイルや下敷きは全て買取し、下取り価格は最低百円を保証するキャンペーンなども行います。そうして日本中から集まってきたものを片っ端から撮影して登録していく。それらは登録された瞬間から、一つ一つに価値が設定されるようになっていきます。
無料配布されたものも含まれます。アイドルのファンなら、推しが登場しているスマホや家電製品のパンフをコレクションした経験があるでしょう。メーカーによっては毎年更新されるパンフがアイドル写真集のような人気を博していたりします。そういうものも登録して、値付けをしていくんです。
※『駿河屋の歩き方』に掲載されているトップインタビューの一部を紹介しています。